司法書士 島田雄三事務所
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島田雄三の思い
 
「ぽんぽこ島の話」2
「なるほど」と竹ノ内博士はうなりました。鉛筆のように尖ったぽんぽこ山の頂上近くに洞穴があった。『これは噴火口の名残だ』と確信した。でもずいぶん昔に噴火した後のようで、顔を見合わせた地質学の蝦蟇口研究員も同感のようだった。丸木舟は壁面に細工が施され、素朴な魚の姿のようであった。櫂を取り出して虫メガで眺め、簡易測定器で年代を確かめた。あれあれ、蝦蟇口は首を傾げた。あまりにも古いものだったからだ。この島が生まれる前のものだ。島はいわば死火山である。辻褄が合わないのだが、てっぺん王のご先祖が乗って来られたのは確かなようだ。てっぺん王は子供のようにカヌーに乗り込んだが、太いおなかがつかえ、一部の肉が外にあふれ出ていた。それでも愉快そうに櫂をこぐ真似をした。子供がビーチプールで遊ぶかのように。立花研究員が写真を撮ろうとしたら、たちまち鶴のようなおつきの一人が制したのである。怖い顔「ここは聖なる場所だ」と言ってるようだ。「この下か、この横か?」「いや、すべてのこの場所、この洞窟のすべてである」と。どうやら墳墓も兼ねているようなのだ。王一行がするように、ひざまずき、叩頭して、何かに祷りをささげたのである。郷に入っては、郷に従えである。「ご先祖さまから、何か聞いておられるのか?」「勿論、天地開闢のことを」という。確かにそう言ったと思ったのである。床に枝くれで、ぐるぐると渦巻き状の輪を描いた。「ガー」と音吐を挙げた。その音を発端に、輪になって踊り始めたのである。リズムは三拍子、指笛も加わった。かなりの騒音というか、迫力であった。伊集院研究員はぬかりなくテープに収め始めた。カヌーのおなかも早速太鼓に変わり。ますますにぎやかさをました。洞窟の中の静寂は、一転不思議な音の伝播を掻き起し、見ると、てっぺん王は座り込み、何と涙を流しているのである。豪快ではなく、ただめそめそと『何が悲しいのだろうか?』探検家一同はあっけにとられたのである。ぶつくさぶつくさと呟いているのは、お経のような、ヨーデルのような、御詠歌のような、とにかく陰々と哀悼の感が漂っていた。それにしても、この島の年齢はいかに?てっぺん王のご先祖はいかなる事情で、この島にたどり着いたのだろうか?はたして、これまで誰もたどり着いたものはいないのだろうか?もしかしたら、我われ一行は、夢の世界に迷い込んだのかもしれんと、竹ノ内博士は頬をつねりたい気持ちに襲われた。踊りの輪を突然乱した闖入者である。白い鳥の乱舞であった。実は鳥の楽園に、突然大勢が押し寄せたためである。故郷奪還のそれこそ決死の飛行隊なのである。蝦蟇口研究員は白い鳥がアホウドリの一種だと見抜いていた。きっと洞穴のどこかに、奴らの巣穴があるに違いない。立花研究員は夢中でカメラを回すのである。王様は涙をぬぐうと、立ち上がり、奇妙な声を上げた。それは信号のように、踊りの輪を静めたのである。「何かわかったのか?」と竹ノ内博士に問いかけた。「はい、大変参考になることがありました」この島ははるか太古から存在し、その山はそのときには頂上から火を噴いていたのである。その噴火口の一つが、この洞穴であると説明した。身振り手振り、力説した。だからといって、てっぺん王のご先祖が、何代前からこの島にすみついたのかは解らない。多分マラソンようなものだと。それを聞くと王は、そうかと、鼻を膨らませて、またおつきのもの、奥方たちに手を上げさせ、自分も上げて、満足したように頭を何度もゆすったのである。・・・続く
2020,5,22(金曜日)
 
 
 
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